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それダメです!もっともダメな投資信託の買い方

      2015/03/06

ペーパーベースの金融商品で最もハードルが低いのが投資信託です。

株式や債券などを組み合わせ、さらに個性的な愛称もつけて、いかにも分かりやすい金融商品かのごとく販売されています。
我々、不動産投資家にも馴染みやすそうな「世界の大家さん」なんていう愛称の毎月分配金型の国際リート・オープンもありますね。

投資信託は、不動産から得た家賃収入(キャッシュフロー)の再投資先として有望なモノであることには間違いありませんが、もっともダメな投資信託の買い方があります。

今回はそんな「もっともダメな投資信託の買い方」を書いてみたいと思います。

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投資信託は買う窓口で値段が違うんです

投資信託は売る側で勝手に手数料を決められる

投信信託(ファンド)には必ず「投資信託説明書(目論見書)」というものが存在します。

この投信信託(ファンド)が、どこの会社に委託・運用されているのか、どんな商品分類にあたるのか、に始まり、具体的なファンドも目的や特色、ファンドしくみや運用方針など、ファンドの具体的内容を解説しています。

そして、この投資信託説明書(目論見書)には、必ず「手続き・手数料等」という、この投資信託(ファンド)にかかる費用についての項目があります。

こちらの画像をご覧下さい。(クリックで拡大表示)

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こちらは米国の株式市場に投資信託でアプローチするためのモノとして紹介した「SMTAMダウ・ジョーンズ インデックスファンド」の投信信託説明書から抜粋した費用に関する説明ページです。

このページの「投資者が直接的に負担する費用」の「購入時手数料」を見て下さい。

「購入申込受付日の翌営業日の基準価額に3.24%(税抜3.0%)を上限として販売会社が定める率を乗じて得た額とします。詳しくは販売会社にお問い合わせください。」

と記載されています。

これは、投資信託の基準額の3.24%を上限として、購入時にかかる手数料を販売会社が勝手に決めていい、ってことです。
さらに「翌営業日の基準額」なんていう風に、「いくらになるか分からない価格に対する手数料」ってことまで書いてあります。

投信信託は売る側が勝手に販売手数料を決められる金融商品なんです。

投信の販売手数料の違いを実際に確認してみる

百聞は一見にしかず、です。
実際に同じ「SMTAMダウ・ジョーンズ インデックスファンド」であるにも関わらず販売手数料が違う証拠を見てみてください。

こちらはネット証券会社のひとつである楽天証券の「SMTAMダウ・ジョーンズ インデックスファンド」の販売画面です。

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手数料の項目には「・なし、・注)金融商品仲介業者(IFA)と契約のお客様は下記IFA用手数料が適用されます。」とあります。

IFAというのは、「金融商品仲介「Independent Financial Advisor」の略で、特定の証券会社に属さず、独立・中立的な立場からお客さまに資産運用のアドバイスをおこなう金融のプロフェッショナル」のことです。

通常、我々投資家は、直接、楽天証券に口座を開設して投資信託を購入するので、このIFA云々は気にする必要はありません。

ですので、楽天証券で「SMTAMダウ・ジョーンズ インデックスファンド」を購入する場合は、「手数料はなし」(一般的にノーロードといいます。)になります。
また、手数料がない訳ですから、翌営業日のファンドの基準額がいくらになろうとも手数料を気にする必要はありません。

では次に三井住友信託銀行で「SMTAMダウ・ジョーンズ インデックスファンド」を購入する場合を確認してみましょう。

こちらですね。

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「お申込手数料」には「1億円未満は2.16%、1億円以上は無手数料」とあります。

はい、「1億円以上買うなら手数料はいらないけど、1億円未満しか買わないなら2.16%の手数料貰うからね。」と三井住友信託銀行さんは言っているのです。

「SMTAMダウ・ジョーンズ インデックスファンド」を購入する際、楽天証券なら100万円分を購入するのに100万円を用意すれば大丈夫ですが、三井住友信託銀行では100万円分を購入するのに102万1千6百円を用意する必要があるってことですね。

どんな証券会社で買うのがいいのか

証券会社のビジネスモデルの基本は手数料ビジネス

証券会社ってどうやって儲けてるんでしょう?

野村証券の組織機構図はこんな感じですが、基本的には、1.自社でのトレーディング、2.他社へのファイナンス(金貸し)、3.金融商品の販売、が3本柱なんじゃないかと思います。

3つめの「金融商品の販売」で得られる収益は、単純に「商品を販売した時に得られる手数料」になります。

えぇ、あらためて申し上げますが、証券会社の人は投資家が儲かったかどうかなんてのは全く関係なく、いかに高い手数料が設定されている商品を、いかに多額の口数分を、いかに複数回取引(購入)して貰えるか、で勝負しているわけなんです。

こんなやり取りありませんか?

顧客「最近、購入した投信がドンドン下がっちゃってるから解約して現金化しようかどうしようか悩んでるんだけど。。」

窓口「そうですね、ここのところアメリカは金利引き上げで株から国債へ資金が流れているようですし、欧米は経済が停滞してますからね。でも、ここで解約だけをしますと損を出すだけですよね。(ちょっとぉ~、口座から資金を流出させるわけにはいかないわよ。)」

顧客「そうなんだよ。でもいい勉強になったと思ってあきらめるよ。」

窓口「そういうお考えもあるかと思いますが、せっかくですから、こちらのブラジルレアル建ての投信に切り替えるのはいかがでしょうか?高利回り確定ですから、今、とても売れている商品なんです。(ここで他の投信に切替えさせなくちゃだわ。)」

顧客「へえ~、高利回り確定なの?じゃあ損を取り戻せるかな?」

窓口「投資に確実はありませんから何とも申し上げられませんが、購入時のブラジルレアルの利回りは確定ですし、何より一番売れている投信なんです。ここで現金化だけで終わらせてしまうと損害を取り戻す可能性が無くなってしまうということでもありますし。一番売れている人気の投信なんですよ。(レアル建てだから購入時のレアルの利回りは確定なのよ。でもレアルの為替がどうなるかは誰も分からないのよね。まっ、一番売りやすい投信で、販売数が上がってるのは嘘じゃないわ。)」

顧客「そっか、人気で一番売れてるってことは、みんなが良い投信って判断してるってことだもんな。分かったよ、今の投信は解約して、そのおススメの投信に切り替えるよ。」

窓口「はい、かしこまりました。(よしっ、切替成功だわ!)」

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ちょっと相場が下がったからといって、すぐに解約をしようとするのもどうかと思いますが、まんまと証券会社の窓口のお姉さんの作戦に乗ってしまう方も多いようです。

証券会社における一般投資家向けリテール部門でのビジネスモデルは、基本的に手数料ビジネスです。

いろいろな金融商品をガンガン売りまくって手数料を稼ぐ、それが基本スタンスだということをまずは理解することが大事です。

一番高いコストは人件費

同じ投資信託なのになぜ販売手数料が異なるのか。

それは極めて単純で、実店舗を設けて窓口での販売を行えば、不動産賃借料はかかるし窓口担当者も配置する必要があります。

さらに窓口はお客さんの来店を待つというインバウンドの販売チャネルになりますから、お客さんが多かろうが少なかろうが、窓口を開けている限りは同じコストが必要になります。

会社という組織のなかで一番高い固定費は人件費と言われています。
実店舗の窓口は、その人件費を抱えて利益を出さなければなりませんから、自ずと、自ら設定できる手数料は高くする必要があるわけです。

一方、基本的には実店舗を持たないインターネット上の店舗で金融商品を販売している証券会社は、窓口担当者を配置する必要はありません。
さきほどの解約をしにきた顧客に対する切り返しトークのような営業はできませんが、何より固定費がかからないという方が利点が大きいわけです。

ネット証券は、切り返し営業などはできないかわりに、より投資家側の立場に立った営業スタイルにより、多くの投資家を顧客に抱えることで、収益の増大を図ろうとしています。いわば、薄利多売スタイルみたいなものです。

そこには親切丁寧なサポートはありませんが、コストと引換えに自分で調べることに労力を惜しまない投資家向けに必要十分な材料は揃えてあります。
こうした投資家向けの詳細な説明・解説材料は一度揃えてしまえば、この先もずっと使い回しができるものですから、コストも低く抑えられます。

そうです、我々投資家は、自分で調べる労力を惜しまずに無駄なコストの掛からない販売チャネルから投資信託を購入するべきです。

我々賢い投資家は、なんでもおまかせの実店舗(実は店舗に行く時間と受付まで待つ時間、その他労力も結構かかる)よりも、インターネット上で基本的には全ての手続きを行えるネット証券会社で買うのがベストということなるんです。
(決して、不動産の融資を引いている銀行に誘われるまま、投信を買うようなことをするのは止めましょう。)

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投資の基本は最初にいかに安く仕入れるか

人気の投資信託イコール良い投資信託ではありません

もう一つ注意しておくことがあります。

さきほどの信託銀行や証券会社の窓口の会話事例の中には、結構、注意しなければならないキーワードがいくつか潜んでいます。

まず、人気の高い投資信託が、良い投資信託(ここでいう「良い」は期待リターンと必要コストのバランスが良いという定義)とは限りません。

人気の高い(人気ランキング上位)の投資信託は、どちらかというと証券会社が、一番、営業活動に力を入れている投資信託であることも多く、特に最近設定された新しい投資信託である場合は注意が必要です。

「最近設定された新しい投資信託」イコール「会社が販売社員にノルマをキツく設定した売れ売れ投資信託」である場合が多いからです。

また、「ブラジルレアル建て」のように外貨建て、さらに「外貨として金利が高い(利回りが高い)」通貨建てであることも注意が必要なキーワードです。

金利が高い通貨というのは、金利を高くしないと外国の資本が流入してこないという通貨ですから、その国の経済が弱い、財政力が弱い、政情が不安定、といったリスク要素満載ということです。

レアル建てで利回りが高くとも、最終的に投信を解約して日本円に戻す時にレアルが安くなっていれば、そんな利回りなんかは吹き飛ぶぐらいのことが頻繁に発生するのが為替です。

これで、毎月分配型の投資信託といった「自己資本を切り崩して配当を出し、購入基準額を下回る運命にある安愚楽牧場型タコ足配当投信」であったら最悪です。

購入時のコストが高いことイコールいきなりマイナスから始まる投資ってこと

さきほど、同じ投資信託であるにもかかわらず、楽天証券の購入コストは購入額に対してゼロ、三井住友信託銀行は購入額の2.16%でした。

楽天証券は100万円で100万円の投資をスタートすることができますが、三井住友銀行は100万円で97.8万円の投資をスタートすることになります。

同じ投資信託ですから購入時からその後の投資利回りは同じになりますが、スタート時点の金額が異なりますので運用後の結果は、運用期間が長ければ長いほど差が出てきてしまいます。(この場合、毎月分配型ではなく、再投資型の投信の場合ということもご理解ください。)

我々の感覚からすると、同じ不動産を物件価格の「3%プラス6万円の仲介料で買うか」、「5.16%プラス6万円の仲介料で買うか」ということなんです。

不動産投資と同じように株式でも投資信託でも、いかに安く仕入れることができるか、が重要であることに変わりはありません。

同じ投資信託なのに、販売手数料という不要なコストを払うような買い方はもっともダメな投資信託の買い方です。
インターネットサイトでの運営を基本とするネット証券の口座を活用して、不要なコストを払わないで済むようにしましょう。

投資の基本は、安く仕入れて高く売る、ですからね。

インターネット証券としては、次のような会社が使いやすいと思います。
1社に限らず複数の会社で口座を開設して、金融商品ごとに管理するというのも悪くないですね。

今後、米国株式への投資も検討しているのであれば、楽天証券とマネックス証券がおススメでしょうか。

ネット証券で口座を開設されたことのない方は、是非、この機会にご検討を。
口座は開設していたけど、全然活用してなかったという方は、あらためて見直してみてはいかがでしょうか。

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