四半期決算短信発表後の推奨銘柄の投資戦略について

日本株投資

平成最後の年となる2019年も、すでに二ヶ月が経過しようとしています。

米中の貿易戦争が続くなか、トランプ大統領のタフネゴの象徴となるメキシコ国境壁問題での「史上最長の米国政府機関の閉鎖」というものがありましたが、FRB議長への執拗な揺さぶりからの米ドル金利の据え置き観測という流れから、強い米国株の復活という状況になっています。

一方、米国株価に連動する日経平均ですが、こちらも21,000円の壁を越え、上昇トレンドに再始動しているように感じられますが、日本電産が通期業績見通しを下方修正するなど、米中貿易戦争による中国の景気悪化の影響が日本の個別株では色濃く出てきている状況でもあります。

このような状況のなか、概ね各企業の四半期決算短信の発表が終了しましたので、推奨銘柄の今後の投資戦略について記載していきます。

推奨銘柄の動向と今後の投資戦略

2018年推奨銘柄

当clubの2018年推奨銘柄の投資戦略については、2018年11月25日にこのような形で掲載させて頂きました。

この戦略に沿った形であれは、現在は、エスティック、朝日インテック、インフォコムについては、2018年当初に購入した保有数から半分から3分の1が残っており、芝浦電子については4,000円台にて損切り済みとなっているはずです。

現在、保有継続している3銘柄の決算短信の概要および株価については、以下のとおりとなっています。

エスティック

売上高、営業利益、経常利益のいずれもが対前年同期比でプラス成長となっており、決算短信とは別に通期業績予想の上方修正リリースも行うなど、まさに強い銘柄のお手本となるような決算内容でした。

通期の業績予想を上方修正を発表したものの、実際の通期決算ではさらなる上ブレも期待できる内容であったことから、株価は8,200円の高値を記録して現在は7,000円台で安定推移しています。

チャートの形状は綺麗な上昇を描いておりますので、エスティックは現保有分もそのままホールドすることが良策だと考えます。

朝日インテック

売上高、営業利益は対前年同期比プラス成長ではありましたが、経常利益が対前年同期比0.8%マイナスという数字でした。
通期業績予想の数値に変化はないものの、各四半期決算では常に対前年同期比でプラス成長を維持しておりましたので、少々、落胆する内容でした。

ただし、同日に「オリンパスとの提携」というリリースも発表し、オリンパスへの商品供給と販売網の大幅増強という将来に向けた非常に明るいニュースもあったため、やや低迷していた株価も5,000円台を安定して推移するようになりました。

ご存知のとおり、朝日インテックは非常に高いPERの銘柄ですので、その成長性に疑問符が付くと一気に株価は下落していくことになるかと思います。
ですが、今回発表のあったオリンパスとの提携が具体的な経営数値に現れてくると、そのインパクトの大きさを実感できるのではないかと考えています。

したがって、朝日インテックもエスティックと同様、現保有分もそのままホールドが良策だと考えます。

インフォコム

売上高、営業利益、経常利益とも対前年同期比プラス成長を維持しておりますが、経常利益だけが1桁台の成長であったことが気になると言えば気になるでしょうか。

3月1日付けでの株式分割の実施など好材料の発表もあり、株価は4,000円台を回復しているものの、3,500円から4,200円のボックスを形成している状況です。

4,200円のボックス上抜けを期待して保有するか、現保有分も4,000円台のところで利益確定して売り抜けるか、判断の分かれるところかと思います。

「悩んだ際は半分売却する」という格言?もあるようですので、現保有分の半分を4,000台で推移しているうちに利益確定し、半分を4,200円超えを期待しながらホールドするという形でもいいんじゃないでしょうか。
ただし、すでに単元分しか残っていないという状況であれば、ここは一旦、3月1日の株式分割を待ち、その後は株価の推移を見守りつつも株主優待を楽しむ銘柄としてホールドしていくストーリーでよろしいのではないでしょうか。

FACEBOOKでの推奨銘柄

2018年推奨銘柄以外にfacebookページにて、相場全体の大幅調整のタイミングで、いくつかの銘柄の買い推奨をしておりました。
その銘柄群について、今後の見通しや投資戦略について考えていきたいと思います。

三機サービス

三機サービスは、パナソニック系の空調機器のメンテナンスからビル管理、ビル警備まで業容を拡大してきている企業です。

東南アジア等、亜熱帯地域での空調機器メーカーの販売拡大に伴い、そのメンテナンスを担うという新興国の経済成長とメーカーの販売増に乗じて成長できる事業です。

さらに空調機器のメンテナンスから、その空調機器が設置されているビル全体の管理・警備を請け負っていくというシナジーを発揮しやすい業容拡大戦略をとっていることも単なるメンテナンス屋さんで終わらないと考えます。

買いを推奨した2019年1月15日は、決算内容が期待外れということで大幅下落し1,300円台まで落ち込んだタイミングでしたが、現在は、1,400円台後半以上を維持しています。

配当もそこそこ(2%程度)あり、クオカード(1,000円)の株主優待もありますので、1,300円台で仕込めた保有分は配当と株主優待を楽しむ長期保有銘柄として扱っていけば良いのではないかと考えます。

システム情報

システム情報はいわゆるSier、システムインテクレーションを行う企業になります。Sierにもいろいろな分野がありますが、基本的には業務系アプリケーションをメインとするSierとなります。

クラウドに適応したシステム構築の他、今話題のRPAやAIなども事業分野で取り扱っているため、今後の大きな成長が見込まれ、かつ実際の決算短信でも素晴らしい成長率の実績となっています。

買い推奨をした2018年12月21日は、相場全体の下落傾向が顕著となり、翌25日は2018年クリスマスの大暴落日(ある意味、神様からのクリスマスプレゼント)となりました。
12月21日以降、株価は1,000円を割り込む日が何日もありましたので、買った方は1,000円程度で仕込めているはずです。

現在、株価は1,400円台で推移し、日によっては1,500円も超えてくるタイミングもありますので、複数単元を仕込めた方は、半分程度を利益確定させ、半分程度を持ち越すという戦略が一番かと考えます。

また、1単元しか仕込めなかった方は、この後、多くの大企業における古いOSのEOL(エンド・オブ・ライフ)によるwindows10化のラストスパート、業務系アプリへのRPA実装による業務効率化の推進が図られていきます(AIの本格的活用はもう少し先と見ています。) ので、中長期目線でホールドしていく戦略でいいと思います。

システムリサーチ

システムリサーチもシステム情報と同じSierですが、こちらはトヨタ自動車およびそのグループ会社が顧客層として多かったような記憶があります。
こちらもシステム情報と同様、業務系アプリケーションをメインとする独立系Sierです。ジャスダックから東証2部、そして東証1部へと順調に昇格し、業績も右肩上がりで推移しています。

システム情報と同様、2018年12月21日に買い推奨しており、仕込んでいる方は2,600円台で仕込めていると思います。
先の決算内容が従来どおりのしっかりした内容でしたので、株価は見直しが入っていて3,000円台を回復しています。

とりあえず、スイングトレードでの利益確定をするという戦略も当然ありですが、決算内容も良いですし株主優待のクオカード(2,000円)や配当(2%弱)もありますので、中長期目線でのホールドもありかな、と考えます。

芝浦電子とSEMITEC

こちらも2018年12月21日に買い推奨していますので、翌25日のクリスマス暴落やそれ以降数日の間で仕込めていれば、芝浦電子については、3,200円から3,300円台、SEMITECについては、4,500円から5,000円の間で仕込めていると思います。

いずれの株価もクリスマスが大底となり、先の決算短信を踏まえて底固めが終わったと考えられるチャートを描いています。
チャート的にはこれから上昇基調に戻る予想ができるのですが、いかんせんどちらの銘柄も中国市場の売上げが大きく、米中貿易戦争の行方が株価に大きく影響してくると思われます。

長期の大きなトレンドでは、両銘柄とも株価は上昇していくと考えますが、ここは一旦、利益確定のタイミングを図りながらGW前には利益確定を済ましておく、という戦略が良いのではないでしょうか。
両銘柄とも株主優待もないですから、優待を楽しみながら長期ホールド、という戦略には合わない銘柄なんですよね。

米中貿易戦争が終了し、中国の景気回復がしっかと見通せるようになってから、あらためて買い出動しても遅くない銘柄だと考えます。

サイゼリア

サイゼリアも2018年12月21日に買い推奨しています。
翌25日からの数日間で仕込めていれば1,900円以下で仕込めていると思いますので、株価2,000円超えで安定推移している今は、完全に底値が固まっている状態だと考えています。

サイゼリアは株主優待を楽しめる優待銘柄です。
100株以上500株未満を仕込めた方は100株を、500株以上仕込めた方は500株を 、株主優待用長期ホールド分として残して他は利益確定のタイミングを図っていくという投資戦略でいいでしょう。

ちなみに先日、日本とEUはEPA(経済連携協定)を締結しましたので、EU産品の日本市場への関税撤廃率は、農林水産品で約82%と大幅撤廃となります。
これはEUからの輸入品を商品の原材料している外食企業には原価の大幅低減という形で恩恵をもたらせます。

サイゼリアはこのEPA恩恵銘柄でもありますので、2,000円で底値固めをしつつ、月足チャート的にはダブルボトムの形成に向かっているという状況を踏まえると、このまま長期ホールドという戦略もありではないかと思っています。

サイゼリアは円高もデフレも味方にできる銘柄ですから、この1,900円以下で仕込めた分は焦らずに数年間保有する長期保有銘柄として扱っていくのが、本当はベストなのかもしれませんね。

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